FC2ブログ

2014.3.15 624 『これらの動詞群の生みだす運動感覚によって』

03 15, 2014 | 日記2014

0

・今日の付箋。

【強いステップで地面を踏みつけることによって、地下に眠っている死者たちを呼び出すのです。音楽に合わせ、地下から立ちあがってくる死霊と一緒に踊りました。舞踏のなかで、生者と死者は一体になっています。】中沢新一「ミクロコスモス1」p.131「超核の神話 岡本太郎について」より。

【技術と芸術が大きく分かれていく分岐点に立もどって、科学技術がつくりだすものを包摂し乗り越えていくことが、芸術の力で可能なのではないか。これは賭けです。この賭けに、これからの芸術が勝利するかどうかは、わかりません。しかし、できるかもしれない。いや、勝利できると、岡本太郎はこの作品で言いたかったのだと思います。ですから、『明日の神話』は「超核」の神話です。】p.141「同上」

【——飛び跳ねる。疾駆する。駿馬を駆る。さっそうと出陣する。あざやかな太刀さばき。陶酔する。茫然自失する。——

 生前の井筒俊彦先生からいただいた書簡を読み直してみて、頻発するこれらの動詞群にあらためて驚く。これらの動詞群の生みだす運動感覚によって、書簡全体が飛びあがったり、放心状態で落下したり、馬を駆って速歩したり、ギャロップしたり、後ろ足で立ちあがったりしている感じがする。躍動感はみなぎり、トランスの感覚が言語の内部からほとばしり出る。井筒先生は若い日に、この文体を駆って、『コーラン』を翻訳された。先生は預言者ムハンマドのなかに、情熱的なシャーマンの体質を直感していたので、その預言者の口をついて出た言葉を集めた語録の翻訳には、このような文体だけがふさわしい、と考えられたのだ。】p.145.146「哲学の後ろ戸」より。

・読んでいていろいろと付箋するのだけど、前後の文脈関係なく言葉として独立させても強い言葉を、をどうしても引用する(してしまう)。そうすると、大抵、言葉が軽くなってしまう。本を読んでいる最中に感じる濃さや、おもしろさは、こういう方法では書くことができない。

・三番めの引用はその章の始まりの文章。この部分が特におもしろい。何がどうおもしろいか、を説明はできないけど。「動詞」の部分。動く文章。

« 2014.3.16 625 『ねじれをはらんだまま奇妙な終わり方をすることになる』 2014.3.14 623 『もっと大きな音楽』 »

0 Comments

管理者にだけ表示を許可する
0 Trackbacks


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

RSS
プロフィール

harunobiwonder

Author:harunobiwonder
松沢春伸の日記

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ