2017.2.28 1315 『黄色が溢れつつ』
・そこかしこに春の——春の、春の何だ? 「春の息吹」などといってみると嘘くさい、人は持ち合わせている言葉でしかその何かを表現しようがないのかもしれないが、それを破ろうと言葉を尽くすのが言葉と生きる人で、自分の中に既に存在する言葉で自然を表し得ると考える人はそこには至れない。言葉に錯誤する。
・チーズをつまみに酒を呑みながら「そこかしこに春の気配が」という言葉で書き始めようとするが、嘘くさくなってやめる。文章は文章を書き始めるまでどこに至るかはわからないし、始めたら始めたで、どこにいくかわからないもの。
・ようやく山形の梅の蕾も膨らんできた、モクレンの蕾も、サンシュユの蕾はそれを包んでいるもの(あれはなんというのかガクか)から花の黄色が溢れつつある。