春の川原

04 16, 2011 | 戯れ言2011

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最近、毎日川原にばっかり行っている。春の川原がこんなにも気持ちのいいものだとは知らなかった。大きな声を出して歌いたいと思って、いろんな川原を回って、場所を見つけては車の中で歌っていた。変なやつだと思われたに違いない。歌ってみると、ジャージ姿の中学生の軍団がぞろぞろとやってきて、車の周りで体育の授業を始めたりもした。川原を走る授業らしかった。もう、どきどきして歌どころではない。

昨日はいつもより上流のところに行った。本流の脇の小さな用水路のようなところでおじいちゃんが釣りをしていたので、少し話しかけて、それから本流の小さな滝のそばに座って川が流れるのを見ていた。小さな滝といっても、落差が一・五メートルくらいで幅は多分五十メートルはある。太陽が反射してきらきらと光る水面が本当にきれいで、滝の音とか、中洲のようなところに生えている、生まれたての草が揺れているのを見ているだけでなんだか幸せだった。言葉でなんか書きようがないのだけれど。

向こう岸を黒い大きな犬を連れた女の人が歩いていて、見とれる。なんとかレトリバーとかそういう犬種だろうと思う。綱ははずされ、黒い犬は自由に走り回る。女性は犬にかまうことなくずんずんと先を歩いていく。草むらから、二羽の鴨が飛び出してきて、それを追いかけて黒い犬は後方へ百メートルくらい駆けていった。二羽が川に着水すると、今度はペットボトルのようなものをくわえて女性のところへ走っていく。女性はその間もずんずん歩いていくので、犬が鴨を追いかけたことなんて知らない。

さっきの釣りじいちゃんが隣へやってきて、釣りを始めた。肩から下げられた四角の小さなクーラーボックスには、えさのブドウ虫が入っていて、背中側のそのクーラーボックスをくるりと胸の前にやり、えさを取り出して針につける。滝つぼのところに針を落としてしばらく泳がせていると、魚が釣れた。「アブラハヤ」というらしい。川の音が大きいのと、釣りじいちゃんの声が小さかったから聞こえにくかったけれど多分「アブラハヤ」だろうと思う。アブラハヤを針からはずし、川に返そうとヒョイと投げてみるものの、川まで届かず、アブラハヤがばたばたしているのをよそ目に、釣りじいちゃんはまたブドウ虫を針につける。もう一度アブラハヤを拾い上げ、川に放した。長靴を履いた釣りじいちゃんは滝の上を川の真ん中あたりまで歩いていって、そこから滝つぼに針をたらし、その度に岩か何かに針を引っ掛けてしまって首をかしげていた。

もう歌うことなんかどうでもよくなってしまっていて、このままずっと川を眺めていたいと思った。忙しいのが苦手だけれど、こういうなんでもないようなことにならいくらでも時間をかけられると思う。こうして風景を眺めている自分もまた、誰かにとっての風景の一部なのだ。

2011.4.16

追記

小さいことの中に幸せを見つけられるのって幸せだと思う。
『なるべく小さな幸せと、なるべく小さな不幸せ、なるべくいっぱい集めよう―――』と言ったのは誰だったろうか。
『―――そんな気持ちわかるでしょう?』と聞かれたら、今の自分は「わかる」と言えると思う。

タイトルなどいらない。

04 07, 2011 | 戯れ言2011

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―――語る言葉を持たぬのならば、踊れ。



2011.4.7

4月17日うたいます。

04 07, 2011 | Liveのお知らせ

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4月17日(日)

大島圭太 LIVE
Bar Tarji 出演 大島圭太 / 松沢春伸
Open 19:30 Start 20:00 ライブチャージ投げ銭(テーブルチャージ500円)

です。よろしくお願いします。

詳しくはhttp://www17.ocn.ne.jp/~tarji/

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松沢春伸の日記

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